双極性障害のうつ状態治療と抗うつ薬
日本うつ病学会は2011年3月10日、ホームページ(http://www.secretariat.ne.jp/jsmd/)で、双極性障害の治療ガイドラインを発表しています。
治療ガイドラインでは、双極性障害のうつ状態の治療として、リチウムやバルプロ酸などの気分安定薬と、SSRIなどの抗うつ薬を組み合わせているケースが、実際の臨床現場において多く見られることを指摘しています。
しかし、気分安定薬と抗うつ薬の併用治療の有効性に関しては医学的根拠に乏しく、また、双極性障害のうつ状態の治療薬として抗うつ薬を用いる際は、躁転や急速交代化(ラピッドサイクラー)のリスクを常に考慮すべきであると警鐘を鳴らしています。
抗うつ薬による躁転のリスクは、SSRIに関しては2〜3%とプラセボ(偽薬)との有意差は認められず、三環系抗うつ薬に関しては11.2%という報告があり、SSRIよりも躁転リスクが高いとしています。また、SNRIの躁転リスクに関しては、SSRIよりも高い可能性があるとしています。
躁転リスクを考慮すれば、双極性障害のうつ状態に対して、特に抗うつ薬を単独で治療に用いることは推奨できないと明言しています。さらに、最も推奨される双極性障害のうつ状態の治療は、クエチアピンまたはリチウムによる治療だとしています。
なお、有効性に関する医学的根拠に乏しいものの、患者に対する心理教育、家族の協力、支持的精神療法、認知療法、対人関係療法などの併用も、重要視すべきことであり、決してないがしろにしてはならないとしています。
■日本うつ病学会ホームページ
http://www.secretariat.ne.jp/jsmd/
<関連記事>
・双極性障害治療ガイドライン改訂:日本うつ病学会
(2011年3月16日掲載)
治療ガイドラインでは、双極性障害のうつ状態の治療として、リチウムやバルプロ酸などの気分安定薬と、SSRIなどの抗うつ薬を組み合わせているケースが、実際の臨床現場において多く見られることを指摘しています。
しかし、気分安定薬と抗うつ薬の併用治療の有効性に関しては医学的根拠に乏しく、また、双極性障害のうつ状態の治療薬として抗うつ薬を用いる際は、躁転や急速交代化(ラピッドサイクラー)のリスクを常に考慮すべきであると警鐘を鳴らしています。
抗うつ薬による躁転のリスクは、SSRIに関しては2〜3%とプラセボ(偽薬)との有意差は認められず、三環系抗うつ薬に関しては11.2%という報告があり、SSRIよりも躁転リスクが高いとしています。また、SNRIの躁転リスクに関しては、SSRIよりも高い可能性があるとしています。
躁転リスクを考慮すれば、双極性障害のうつ状態に対して、特に抗うつ薬を単独で治療に用いることは推奨できないと明言しています。さらに、最も推奨される双極性障害のうつ状態の治療は、クエチアピンまたはリチウムによる治療だとしています。
なお、有効性に関する医学的根拠に乏しいものの、患者に対する心理教育、家族の協力、支持的精神療法、認知療法、対人関係療法などの併用も、重要視すべきことであり、決してないがしろにしてはならないとしています。
■日本うつ病学会ホームページ
http://www.secretariat.ne.jp/jsmd/
<関連記事>
・双極性障害治療ガイドライン改訂:日本うつ病学会
(2011年3月16日掲載)
スポンサーリンク