トラウマ形成のメカニズム解明
横浜市立大学は2011年7月11日付プレスリリースで、特定の場所で受けた恐怖体験に基づく記憶が形成される細胞レベルのメカニズムを、世界で初めて解明したと発表しています。
研究チームは、ラットを用いた実験により、恐怖記憶が形成される際、神経伝達物質のグルタミン酸と結合する受容体(AMPA受容体)が海馬の一定の領域で増加し、シナプス応答を増強させていることを発見しています。
ちなみに、シナプスとは、脳内の情報伝達を担う神経細胞(ニューロン)間のつなぎ目の部分。情報伝達は、神経伝達物質を介して行われます。
研究チームはさらに、AMPA受容体の増加を阻害すると、恐怖記憶が形成されないことを突き止めています。このことから、海馬におけるAMPA受容体と恐怖記憶形成とが、密接に関係していることが明らかになっています。
海馬については、これまで記憶中枢として注目されて来たものの、海馬に依存した記憶を獲得するメカニズムは未解明のままだったといいます。
今回の研究成果は、PTSD(心的外傷後ストレス障害)や対人恐怖症などトラウマに起因した精神疾患の新薬開発の糸口になるものと期待されています。
<関連記事>
・統合失調症に海馬の異常が関与
・心は物理的ネットワークか
(2011年7月18日掲載)
研究チームは、ラットを用いた実験により、恐怖記憶が形成される際、神経伝達物質のグルタミン酸と結合する受容体(AMPA受容体)が海馬の一定の領域で増加し、シナプス応答を増強させていることを発見しています。
ちなみに、シナプスとは、脳内の情報伝達を担う神経細胞(ニューロン)間のつなぎ目の部分。情報伝達は、神経伝達物質を介して行われます。
研究チームはさらに、AMPA受容体の増加を阻害すると、恐怖記憶が形成されないことを突き止めています。このことから、海馬におけるAMPA受容体と恐怖記憶形成とが、密接に関係していることが明らかになっています。
海馬については、これまで記憶中枢として注目されて来たものの、海馬に依存した記憶を獲得するメカニズムは未解明のままだったといいます。
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(2011年7月18日掲載)
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