心的外傷後成長(PTG)とは?
心的外傷後成長(PTG:Post-Traumatic Growth)とは、近年提唱されている概念で、心的外傷(トラウマ)を体験した後ポジティブな心理状態へと変化を遂げる、つまり、心に傷を負った人がその後人間的な成長を遂げることをいいます。
命に危険が迫る大規模な災害や、事故、暴行、脅迫などによるトラウマを体験した場合、これまでは、心的外傷後ストレス症状(PTS:Post-Traumatic Stress symptom)や心的外傷後ストレス障害(PTSD:Post-Traumatic Stress Disorder)に目が向けられて来ました。
また、PTS・PTSD後にQOL(生活の質:Quality Of Life)を回復する過程においては、トラウマの消失が主体となると考えられて来ましたが、近年、PTGという新たな心的過程の存在が実証されています。これは、トラウマを乗り越え、人間的な成長を遂げることによって、QOLを回復するという過程です。
PTGとPTS・PTSDは、対立する概念ではなく、一連の過程に存在します。PTS・PTSDを経てPTGが起こり、PTS・PTSDの程度が高いと、PTGの程度も高いという正の相関も報告されています。
ネガティブな状況認知はQOLを悪化させ、ポジティブな状況認知はそれとは逆の結果をもたらす、これは容易に想像がつきますが、問題は、具体的にどうすれば良いかということです。ただ、PTGという心的過程の存在が実証されたことは、一つの大きな希望に繋がることだと思います。
【参考資料】
2012年2月10日付プレスリリース
「大規模災害における被災者のこころの健康を守るための研究」
(自治医科大学、株式会社クロス・マーケティング)
<関連記事>
・トラウマ形成のメカニズム解明
(2012年3月11日掲載)
命に危険が迫る大規模な災害や、事故、暴行、脅迫などによるトラウマを体験した場合、これまでは、心的外傷後ストレス症状(PTS:Post-Traumatic Stress symptom)や心的外傷後ストレス障害(PTSD:Post-Traumatic Stress Disorder)に目が向けられて来ました。
また、PTS・PTSD後にQOL(生活の質:Quality Of Life)を回復する過程においては、トラウマの消失が主体となると考えられて来ましたが、近年、PTGという新たな心的過程の存在が実証されています。これは、トラウマを乗り越え、人間的な成長を遂げることによって、QOLを回復するという過程です。
PTGとPTS・PTSDは、対立する概念ではなく、一連の過程に存在します。PTS・PTSDを経てPTGが起こり、PTS・PTSDの程度が高いと、PTGの程度も高いという正の相関も報告されています。
ネガティブな状況認知はQOLを悪化させ、ポジティブな状況認知はそれとは逆の結果をもたらす、これは容易に想像がつきますが、問題は、具体的にどうすれば良いかということです。ただ、PTGという心的過程の存在が実証されたことは、一つの大きな希望に繋がることだと思います。
【参考資料】
2012年2月10日付プレスリリース
「大規模災害における被災者のこころの健康を守るための研究」
(自治医科大学、株式会社クロス・マーケティング)
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・トラウマ形成のメカニズム解明
(2012年3月11日掲載)
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