オキシトシンが効きやすい性格

金沢大学は2012年4月27日、ホームページ(http://www.kanazawa-u.ac.jp/)上で、脳内ホルモンのオキシトシンが効きやすい個人の性格を、脳神経の活動を測定できる脳磁計を用いて明らかにしたと発表しています。

世界でも初めての報告であり、コミュニケーションの障害を主な症状とする自閉症スペクトラム障害や、対人関係におけるストレスを原因とする適応障害うつ病などへの治療にもつながる研究として期待できるとしています。

ちなみに、オキシトシンには、出産時の子宮筋収縮誘導や母乳分泌促進、ストレス反応のコントロールなどの作用があることが知られています。また、オキシトシンの投与により重度知的障害のある自閉症患者の症状に改善が見られたという研究結果が、今回と同じ金沢大学から報告されています。

2012年4月27日付毎日新聞によると、研究グループは、20〜46歳のいずれも男性の被験者20人に「喜び」「怒り」「無表情」「あいまい」の4種類の表情の顔写真を提示。被験者全員にオキシトシンを投与(点鼻)し、投与前後の脳の反応(脳神経の活動)を脳磁計で調べています。

オキシトシン投与の前後で特徴的な結果を示したのは、「怒り」の顔写真を提示したとき。投与前では、被験者全員が“敵意”を感じたものの、投与後では、「理屈っぽく、物事をあいまいにせず、突き詰めて考えないと気が済まない傾向」(自閉症の人に強いとされる傾向)があると心理テストで判定された人たちだけが、“敵意”を感じなくなったといいます。

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(2012年5月10日掲載)
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