うつ病10年間を振り返って

今日2013年9月22日で、うつ病診断から丸10年になります。この1年の最大の出来事は、今年1月15日に心療内科を卒業したことです。それまで2年半にわたり基本的に漢方薬(柴胡加竜骨牡蛎湯)のみで寛解を維持して来たこと、また、自分自身の今年の漢字『攻』を実行すること、このような意味合いで、私から主治医に卒業を提案しました。

卒業当日の思いを140字でツイッターに綴っています。
◇2013.1.15 Twitter@kokorogより
大雪が晴れた今日。心療内科の卒業式。僕の提案に、先生はすぐに賛同してくれた。一歩外に出たら唯一の頼みの綱だった薬。一生飲んでも構わないとさえ思っていた。大事な仲間と別れ、僕の一部を置いて来るような、そんな気持ちかな。真に生まれ変わるためには、どうしても通らなければならない通過点。

10年前から今日までを振り返ってみると、長かったなぁという感慨はあまりなく、紆余曲折だったなぁというのが率直な感想です。たとえば、あれこれと薬を変えたり、あちこちと病院を変えたり、鍼治療をやったり、3回も会社を辞めたり・・・

また、通勤途中で引き返して、保育園、小学校、遊んだ神社、剣道場、書道教室、江戸川の土手へ行ったり。道順を辿ると気持ちは落ち着きましたが、遠い昔の自分の影をいくら追っても、明日への希望が生まれることはありませんでした。ただ、“藁”であっても、つかむ前はその一つ一つが、希望の光であり生き延びる糧であったと思います。

漢方薬に移行するまで私が第一に考えていたことは、とにかく薬で症状を抑えることでした。私自身の経験から、症状安定の近道は、薬は抗うつ薬だけに絞り、効果を見ながら段階的に最大量まで増やし、一定量を一定期間維持することだと思います。こうすることによって、薬の合う・合わないを見極めることもできます。なお、万人に当てはまるものではないことを、念のため申し上げて置きます。

漢方薬に移行するまでの直近の処方は、次のとおりです。2つとも抗うつ薬で、それぞれ一日の最大量ですが、抗不安薬や睡眠薬を使わなくても、病的な不安や不眠に苦しむことはありませんでした。
  • リフレックス(45mg/日)
  • ルボックス(150mg/日)

薬で症状の安定を図ることと共に大事なことが、自分の考え方や生き方を見直すことです。「うつ病7年間を振り返って」にも書きましたが、病院での治療を続けていれば必ず寛解するとは限らず、寛解しても再発する可能性が高いのではないかと私は思っています。うつ病を生む根っこが変わらない限り、環境が整えばすぐにまた芽を吹き出します。

最近、経頭蓋磁気刺激法(けいとうがいじきしげきほう)という薬を使わない治療法が注目されています。今後も新たな治療法が開発されて行くだろうと思います。しかし、どんなに素晴らしい治療法が開発されたとしても、「うつ病を生む根っこ」を変えることはできません。

「考え方や生き方を見直す」という作業は、うつ病の再発防止に役立つという意味に留まらず、かけがえのない自分自身の人生をより良く生きるために、一生続けるべき作業だと思います。

◇あとがき
心療内科卒業を機に、「振り返って」シリーズは今回を最後とし、今後はその時その時の思いを綴って行きたいと思います。

<関連記事>
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(2013年9月22日掲載)
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