「障害」「障がい」「障碍」・・・表記問題

「害」の字がマイナスイメージを与えることから、法令等における「障害」の表記を見直すべきとの意見があり、「障がい者制度改革推進会議」(2012年7月に廃止)でも第5回会議において議題として取り上げられています。

推進会議の委員の間では、表記の問題は本質的な問題ではないとの認識でだいたい一致しているものの、具体的な表記方法については、「障がい」や「障碍」とすべきという意見、「障害」のままで特段の問題はないという意見、「害」だけでなく「障」の字にも問題があるという意見など、さまざまです。

一方で、私は、中西委員が指摘しているとおり、「障害者」に相対する「健常者」という言葉が、障害のない人によって不用意に使われることについても、よく考えてみた方が良いと思います。不快感を与えたり、溝を深めたりする恐れがありますから。

法令における表記は、最近(2013年6月)成立した「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」においても、従来と変わらず「障害者」「障害者でない者」とされています。

ただ、地方自治体レベルでは、条例なども含め「障害」の「害」の字のひらがな表記を基本に据える動きが広まっています。また、民間レベル(例えば、ソニーや第一生命など)でも、同様の動きがあります。

ちなみに、千葉県の「障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり条例」では、法令名・法令用語以外は全て「障害のある人」「障害のない人」で統一されています。

【参考】
障がい者制度改革推進会議
第5回(H22.3.19)資料3「障害の表記に関する意見一覧」
(http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/kaikaku/s_kaigi/k_5/pdf/s3.pdf)

◇雑感
異なるという事実を、「特殊」は客観的に捉えて、「特別」は主観的に捉えていう言葉だそう。僕が中学生の頃、知的障害などを持つ子のクラスを「特殊学級」と呼んでいた。後の法改正で「特別支援学級」へ。少し温かくなったかな。たかが名称、されど名称。

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(2014年1月24日掲載)
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