日本精神神経学会、精神疾患の病名を変更

日本精神神経学会は2014年5月28日、米国における精神疾患の新しい診断基準「DSM−5」で示された病名・用語の日本語訳を『DSM−5 病名・用語翻訳ガイドライン(初版)』として取り纏め、発表しています。

今回、病名・用語の日本語訳を決めるにあたり、次の4つを基本方針に据えています。
  1. 患者中心の医療が行われる中で、病名・用語はよりわかりやすいもの、患者の理解と納得が得られやすいものであること。
  2. 差別意識や不快感を生まない名称であること。
  3. 国民の病気への認知度を高めやすいものであること。
  4. 直訳が相応しくない場合には意訳を考え、アルファベット病名はなるべく使わないこと。

たとえば、特に児童青年期の疾患では、病名に「障害」がつくことは、本人や親に大きな衝撃をあたえ、また、差別意識を生む恐れもあることから、「○○障害」を「○○症」に改めるといった配慮をしたといいます。

病名の変更例は、次のとおりです。
  • 「自閉症スペクトラム障害」⇒「自閉スペクトラム症」
  • 「注意欠如・多動性障害」⇒「注意欠如・多動症」※日本精神神経学会ではこれまでも、“注意欠陥”ではなく、“注意欠如”としています。
  • 「学習障害」⇒「学習症」
  • 「チック障害」⇒「チック症」
  • 「トゥレット障害」⇒「トゥレット症」
  • 「大うつ病性障害」⇒「うつ病」
  • 「パニック障害」⇒「パニック症」
  • 「全般性不安障害」⇒「全般不安症」
  • 「強迫性障害」⇒「強迫症」
  • 「性同一性障害」⇒「性別違和」

◇雑感
公的な病名として採用されるかどうかは、今後の厚生労働省の検討しだいなのだろうが、日本精神神経学会が久しぶりに精神疾患の病名を改めた。ところで、6年前、誤解を招きやすいとして変更された「社交不安障害」、いまだにぴんと来ないのはなぜだろう。

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(2014年6月8日掲載)
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