認知行動療法、脳にも変化
千葉大学は2015年3月17日付プレスリリースで、認知行動療法による脳への作用メカニズムをfMRIにより画像化することに世界で初めて成功したと発表しています。放射線医学総合研究所との共同研究による成果です。
人は、外界の情報と、既に持っている信念とを照合し、外界に対する認識を形成します。このプロセスを認知といいますが、既に持っている信念が不合理なものであると、結果的に形成される認識も不適応なものとなります(認知の歪み)。
認知行動療法は、うつ病などの患者が持つこの不合理な信念を、合理的なものへと変化させて行く(認知の再構成)ことで、症状の改善を目指す心理療法です。うつ病の他、不安症や強迫症に対しても高い有効性が証明されています。
研究グループは、健常被験者22名に対して、信念に関わる脳内ネットワークを活発にさせると考えられる認知課題を実施させながら、fMRIで脳の活動を観察したところ、信念の変化と左後頭頂皮質の活動が相関していることを突き止めています。
心理療法の治療効果には個人差があることから、今後、治療前にその効果を予測する技術の開発などにつながることが期待されます。
◇雑感
<関連記事>
・認知療法・認知行動療法に健康保険適用
(2015年4月8日掲載)
人は、外界の情報と、既に持っている信念とを照合し、外界に対する認識を形成します。このプロセスを認知といいますが、既に持っている信念が不合理なものであると、結果的に形成される認識も不適応なものとなります(認知の歪み)。
認知行動療法は、うつ病などの患者が持つこの不合理な信念を、合理的なものへと変化させて行く(認知の再構成)ことで、症状の改善を目指す心理療法です。うつ病の他、不安症や強迫症に対しても高い有効性が証明されています。
研究グループは、健常被験者22名に対して、信念に関わる脳内ネットワークを活発にさせると考えられる認知課題を実施させながら、fMRIで脳の活動を観察したところ、信念の変化と左後頭頂皮質の活動が相関していることを突き止めています。
心理療法の治療効果には個人差があることから、今後、治療前にその効果を予測する技術の開発などにつながることが期待されます。
◇雑感
外界を認識し、考えや行動を方向づける根底にある信念をスキーマという。このスキーマは、思考を形作るテンプレート(定規)の役割を果たしている。これは比喩であるけれど、今回、この脳内テンプレートが認知行動療法によって変化する様子が捉えられた。
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(2015年4月8日掲載)
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