統合失調症、早期治療が鍵

東邦大学は2015年10月26日付プレスリリースで、統合失調症の予後は、発症形式(急性発症と潜行性発症 ※1)の差異と、発症から受診までの期間(※2)に大きく影響を受けることを発見したと発表しています。

※1 急性発症と潜行性発症
顕著な行動変化から明らかな精神病状態に至るまでの期間が、1か月以内の場合を急性発症、1か月を超える場合を潜行性発症といいます。

※2 発症から受診までの期間
明らかな精神病状態が始まった時点から精神科医などの専門家と継続的な治療関係が結ばれるまでの期間のことで、精神病未治療期間(DUP)といいます。

今回、6つの大学(東邦大学、東北大学、富山大学、長崎大学、高知大学、奈良県立医科大学)で多施設共同研究を組み、日本人の統合失調症の初発症例(168例)を18か月にわたり追跡しています。

その結果、急性発症群では潜行性発症群よりもDUPが短く、潜行性発症群ではDUPが長いほど認知機能、社会機能、QOLにおいて予後が不良であり、潜行性という発症形式が、長期にわたり予後に大きく影響していることが見出されています。

統合失調症においては、早期治療が回復可能性を高める重要な要因であることが今回の研究で示され、今後は、特に急性発症に比べて治療に結びつきにくい潜行性発症の患者を、どのようにして早期に発見し有効な治療に結びつけるかが課題となります。

◇雑感
病気であるという自覚を「病識」という。一般に統合失調症の場合、病識がないとされる。しかし、一概に“病識なし”とすることが実態として正しいのかどうか。間違いだとすれば、差別と偏見をなくすためにまず是正されねばならない事項の一つだと思う。

<関連記事>
目の動き方で統合失調症を判別
統合失調症の認知機能障害予防法発見

(2015年11月18日掲載)
スポンサーリンク
コメント投稿(運営者確認後に表示)
※運営者の判断によリコメントが表示されない場合(誹謗や中傷など)がありますので、ご了承ください。また、特定の病院に対するお問い合わせにつきましては、ご覧になった病院へ直接お願いいたします。
名前
  情報を記憶: 評価: 顔   
 
 
 
スポンサーリンク
記事検索


Copyright © 2007-2023 「うつ」の心に癒しを。