アラキドン酸やDHA不足、統合失調症発症に関与

理化学研究所は2017年9月5日付プレスリリースで、脳発達期の多価不飽和脂肪酸の摂取不足が、統合失調症の発症リスクに関与する可能性があることを、マウスを用いた研究により見出したと発表しています。

統合失調症の発症には、遺伝要因に加えて環境要因が関わっているとされています。環境要因になり得るものとしては、疫学的知見から「妊娠期における一時的な栄養不良」がその一つと考えられています。

共同研究グループは今回、これまでの臨床的・分子遺伝学的知見から、多価不飽和脂肪酸の欠乏が特に重要であると考え、マウスの脳発達期にアラキドン酸とドコサヘキサエン酸(DHA)の摂取制限を行い、成長後にどのような異常が現れるかを詳しく調べています。

その結果、アラキドン酸とDHA欠乏食を投与したマウスでは、統合失調症の前駆状態に類似する行動変化などが見られ、脳発達期におけるこれらの多価不飽和脂肪酸の欠乏が、将来の統合失調症発症リスクの増大につながる可能性が見出されています。

今回の研究の知見は、今後の新たな統合失調症治療薬や予防薬の開発などに役立つものと期待されます。

【出典】
理化学研究所 プレスリリース

◇雑感
アラキドン酸もDHAも体内では合成できないため摂取の必要がある必須脂肪酸である。中でもアラキドン酸は近年注目され、神経新生を促進する効果もあることが分かっている。精神疾患の予防は、まず食事からか。自身のためだけでなく、子孫のためにも。

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(2017年10月18日掲載)
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