認知症治療薬、PTSDに有効
東京大学は2019年8月2日、研究成果として、アルツハイマー型認知症の治療薬「メマンチン」(商品名は「メマリー」)をPTSDモデルマウスに投与したところ、トラウマ記憶の忘却とともに、トラウマ体験による精神症状(不安の亢進)までもが改善されることを見出したと発表しています。
研究グループは、マウスでは脳の海馬で起こっている神経細胞の新生(神経新生)を促進すると記憶が忘却されることに着目し、この記憶忘却効果によるPTSDの改善方法の開発に取り組んできました。
今回、PTSDモデルマウスに対し、メマンチンを1週間毎に計4回投与した結果、メマンチンを投与されたマウスはPTSD発症の原因となった威嚇行動を示す大型マウスに再び近寄る行動を示すようになり、メマンチン投与による社会忌避記憶の忘却が認められ、また、別の課題によって不安行動も改善されていることが認められています。
PTSDの有効な治療法としては「持続エクスポージャー療法」が知られていますが、長期間を要し、また、患者と医師双方に大きな負担がかかるとされています。今回の研究により、メマンチンを用いるPTSD治療法の有効性が示唆されたことから、今後、患者や医師の負担が少ない治療法として確立されることが期待されます。なお、現在、国立精神・神経医療研究センターにおいてこの治療法を用いた臨床試験が行われています。
【出典】
東京大学 研究成果
◇雑感
<関連記事>
・PTSD、トラウマ直後のケアが重要
・PTSDに漢方薬が有効
(2019年10月15日掲載)
研究グループは、マウスでは脳の海馬で起こっている神経細胞の新生(神経新生)を促進すると記憶が忘却されることに着目し、この記憶忘却効果によるPTSDの改善方法の開発に取り組んできました。
今回、PTSDモデルマウスに対し、メマンチンを1週間毎に計4回投与した結果、メマンチンを投与されたマウスはPTSD発症の原因となった威嚇行動を示す大型マウスに再び近寄る行動を示すようになり、メマンチン投与による社会忌避記憶の忘却が認められ、また、別の課題によって不安行動も改善されていることが認められています。
PTSDの有効な治療法としては「持続エクスポージャー療法」が知られていますが、長期間を要し、また、患者と医師双方に大きな負担がかかるとされています。今回の研究により、メマンチンを用いるPTSD治療法の有効性が示唆されたことから、今後、患者や医師の負担が少ない治療法として確立されることが期待されます。なお、現在、国立精神・神経医療研究センターにおいてこの治療法を用いた臨床試験が行われています。
【出典】
東京大学 研究成果
◇雑感
既存の認知症治療薬を用いてPTSDの治療が可能になるかもしれない。認知行動療法も有効なのだろうが、精神的時間的負担が重い。震災だけではなく最近の台風による風水害もPTSDの発症原因になり得る。災害大国の日本だからこそ、心のケアにも万全を期してほしいと思う。
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(2019年10月15日掲載)
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