いじめ被害、その後の心の不調に

国立精神・神経医療研究センターは2026年3月4日付プレスリリースで、いじめを受けた経験が、その後の精神症状(抑うつ症状や精神病体験)につながる過程において終末糖化産物(AGEs)の一種である「ペントシジン」が関与している可能性を明らかにしたと発表しています。

思春期のいじめ被害の経験は、その後の人生における心身の健康に対して、深刻かつ長期的な悪影響を及ぼすことが知られています。しかし、いじめ被害がどのような仕組みで心の不調につながるのかについては、十分に解明されていなかったといいます。

研究グループは今回、思春期の子どもたちを対象とした大規模コホート研究「東京ティーンコホート」の参加者を対象に、12歳時点のいじめ被害の経験、14歳時点の尿中ペントシジン濃度、16歳時点での抑うつ症状や精神病体験(実際にはないはずの声が聞こえる等)といった心の不調に関するデータを用いて分析しています。

その結果、いじめ被害を経験した子どもでは、その後にペントシジン濃度が高くなり、また、ペントシジン濃度の上昇が抑うつ症状や精神病体験の増加と関連していることが判明したといいます。

さらに、いじめ被害と精神症状との関連のうち、抑うつ症状については約19%、精神病体験については約28%が、性別に関わらず、ペントシジンを介して説明される可能性が示されたといいます。

今回の研究は、いじめという思春期の社会ストレスが、ペントシジンの増加という体内の生物学的な変化を伴って、その後の心の不調につながる可能性を示した点に意義があり、今後、心の不調リスクを早期に把握し、より効果的な予防や支援につながることが期待されます。

【出典】
国立精神・神経医療研究センター プレスリリース

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(2026年5月10日掲載)
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