スマホ認知行動療法がうつ病発症を長期予防

京都大学は2026年6月1日、抑うつ症状はあるものの、うつ病の診断基準を満たさない状態(閾値下うつ状態)にある一般成人を対象に、スマートフォン・アプリを用いて認知行動療法(CBT)の個別スキルを提供し、その後のうつ病発症予防効果を検証した結果を発表しています。

今回の研究で提供されたCBTの個別スキルは、以下の5つです。
・行動活性化
抑うつ気分のときに避けがちな活動をあえて行うことで、気分や行動を改善する技法。日常の楽しみや達成感のある活動を増やすことを通じて、意欲の回復を促す。
・認知再構成
自動的に浮かぶ否定的な考え方に気づき、より柔軟で現実的な考え方に置き換える技法。思考のクセを見直すことで感情的苦痛を緩和する。
・問題解決
抱えている困難や課題に対して、問題の明確化・目標設定・解決策の洗い出し・実行計画などのステップを踏んで取り組む技法。実行可能な行動を通じて現実的対処力を高める。
・アサーション
自分の気持ちや意見を相手を尊重しながら適切に表現する対人スキル。自己主張が苦手な人にとっては、対人関係のストレスを軽減する手段となる。
・睡眠行動療法
不眠を改善するために、就寝・起床時間の安定化、刺激制御、睡眠制限法などを含む科学的根拠に基づいた行動技法。

上記5つの個別CBTスキルが、それぞれ単独および組み合わせで、1年後どれだけうつ病の発症を予防できるかを検証した結果、すべての個別CBTスキルでうつ病発症率が低下し、特に以下の3つの組み合わせにおいて高い予防効果を示し、発症率を40〜50%低下させる効果が認められたといいます。
・行動活性化+アサーション
・行動活性化+認知再構成
・睡眠行動療法

閾値下うつ状態にある人は、十分な医療的支援を受けられていない場合が多いことから、低コストで時間や場所を選ばないスマートフォンCBTは、うつ病の有効な予防策であるといえます。

【出典】
京都大学 研究発表

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(2026年6月5日掲載)
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