うつ病は風邪のようなもの?

精神的な障害に対する差別や偏見をなくして、うつ病患者本人やその家族が、前向きな気持ちで病気に向き合うという意味で、「うつ病は風邪のようなもの」という考え方は大切なものです。

しかし、うつ病を風邪のようなものだといって軽く見てしまうことは、とても危険なことでもあります。

第一に、うつ病は非常に強い苦痛を伴う病気です。うつ病になった人たちは、うつ病には他の人には伝えきれない苦しさがあることを訴えます。当然のことながら、うつ病の苦しさを見ている周りの人たちも心を痛めます。

それだけではなく、うつ病は慢性化しやすい病気だという点でも風邪とは異なります。しかも、うつ病になると、日常的な機能が極度に低下して、仕事や家事などに深刻な影響が出てきます。

このことは、うつ病の人自身や周りの人たちだけでなく、社会全体でうつ病に対して取り組み、解決していかなくてはならない重要な問題だということを意味しています。

第二に、うつ病は死につながる危険性のある病気です。

うつ病では自殺の危険性が高まりますし、心筋梗塞などの一般的な身体疾患にかかりやすくなったり、その予後が悪化したりする可能性が高まります。特に、高齢者の場合では、うつ病にかかると、死亡率が1.8倍になるという報告もあります。

また、うつ病は誰でもかかる可能性があるという点では、確かに風邪に例えることはできますが、うつ病は風邪のようにゆっくり休むだけでは回復しません。

うつ病は、軽いように見えても、「積極的な治療」が必要です。

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心療内科というところ

(2008年4月10日掲載)
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