うつ病の再発予防

厳密にいうと、完全に健康な状態に戻る前にうつ病が再度悪化することを「再燃」といい、一度完全に良くなったうつ病がある期間を経て再度悪くなることを「再発」といいます。しかし、一般的には、両者を合わせて「再発」でよいといわれています。

せっかく改善したうつ病がぶり返しやすいのは、良くなってから1〜4か月の間といわれています。

世界保健機関(WHO)では、うつ病の改善後少なくとも6か月は抗うつ薬を飲み続け、さらに6か月は定期的に通院することが望ましいとしています。

また、うつ病の改善後2年間にわたり寛解状態が続けば、抗うつ薬を止めることを考えてもよいとしています。

ちなみに「寛解」とは、病気の症状や進行が一時ストップした状態をいいます。精神疾患の場合、通常「完治」とよばないのは、精神疾患が再発を繰り返しやすいという疾病観が根付いているためです。

従来からのさまざまな研究でも、うつ病の再発防止のためには、うつ病治療の時期と同じ量(減量はしない)の抗うつ薬を、少なくとも4〜6か月服用する必要があるとされています。

また、抗うつ薬は2〜3年継続的に服用することが、うつ病の再発予防に有効とされています。

いくら調子が良くなったとしても、焦って抗うつ薬を減らしたりせず、じっくりうつ病を治していこうという心構えが必要といえます。

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うつ病を予防する力

(2008年4月10日掲載)
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