自殺大国日本

日本は、主要先進国の中でロシアに次いで自殺率が高いことをご存知でしょうか?日本の自殺率は、アメリカの2倍以上、イギリスやイタリアの3倍以上なのです。

日本の自殺者数は、2006年には32,155人に達し、以来毎年3万人を超えています。警察庁の調べによると、自殺者の内、約12,000人が自営業者やサラリーマンだといいます。そして、その内の約9,000人が、仕事上の問題や経済的困窮が原因で自殺を図っているといいます。

1998年以降、男性の自殺者が大幅に増加し全体の7割に達していますが、特に中高年の自殺が多く、年齢が上がるほど増加傾向にあります。

職場では、仕事上のストレスが原因でうつ病などの心の病を発症し自殺に至る「過労自殺」が問題になっています。

厚生労働省の調べでは、うつ病などの精神障害による労災請求は毎年約100人ずつ増加しているそうです。2006年度のうつ病などの精神障害による労災請求は、過去最多の819件で、うち認定件数は205件に達しています。過労自殺による労災請求は、その内176件で、認定件数は過去最高の66件となっています。

自殺者の年齢が全体的に高くなる一方で、自殺が低年齢層にも広がる兆しがあります。

2006年の自殺者のうち「学生・生徒」は886人で、警視庁が統計を開始した1978年以来、最多を記録しています。自殺者の内訳は、小学生14人、中学生81人、高校生220人。中学生が前年比15人増と最も増加しています。遺書などから、いじめや学業不振などといった学校での問題が自殺の原因とみられています。

自殺予備軍ともいえるうつ状態の小学生も急増しています。宮崎大学の研究チームが2005年に茨城県内の小学4年生から6年生までを対象に行った、うつ病や自殺などに関するアンケート調査では、15%に抑うつ傾向が、また、15~20%に自殺を考える傾向が見られたといいます。

(2008年5月3日掲載)
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