ADHDとは?
ADHDとは、「Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder」の頭文字をとったもので、日本語としては「注意欠陥・多動性障害」と訳されています。
ADHDは、アメリカ精神医学会が策定したDSM(「精神疾患の分類と診断の手引き」)によって定義されている医学用語です。なお、WHOが策定したICD(「疾病及び関連保健問題の国際統計分類」)では、「多動性障害(Hyperkinetic Disorder)」と規定しています。
ADHDの基本的な症状は、注意欠陥、多動、衝動性の3つがあります。しかし、この3つを全て満たしている場合だけがADHDとなるわけではありません。
多動・衝動性が主に現れる多動優位型ADHDや、多動・衝動性が目立たない注意欠陥優位型ADHDもあり、いくつかのタイプが存在します。また、書けるが読めない(読字障害)や計算だけができない(算数障害)などの学習障害(LD)的な要素を持つことも少なくないといわれています。
事実、ADHDの子供は、ADHDと共に他の発達障害を併せもっていることが知られています。特に、ADHDと学習障害との併発率が高いといわれています。ADHDと学習障害とが併発する割合は、3〜4人に1人と推定されています。
また、ADHDと自閉症との併発も多いといわれています。ADHDと自閉症とが併発する具体的な割合は分かっていませんが、これは、その子供が自閉症であれば、まずは自閉症の診断を優先してつけ、ADHDと重複して行わないためと考えられています。
ADHDの原因は、未だ定説はないようです。染色体異常などの遺伝子的要因や、脳内神経伝達物質ドーパミンに関係する機能異常などが考えられています。
ADHDは、学齢期の子供の3〜5%の割合でみられるといわれています。また、ADHDの男女比は男対女で4〜9対1と、圧倒的に男子に多くみられるといわれていますが、多動・衝動性が目立たない注意欠陥優位型の子供(女子が多い)を含めると、男女差は小さくなるとする見解もあります。
ADHDの治療に使われる薬に、塩酸メチルフェニデート(製品名:コンサータ錠)があります。塩酸メチルフェニデートは、過去にうつ病の治療に用いられていた時期もありますが、現在では、ADHDのほかナルコプレシー(居眠り病)に適応が限定されています。
塩酸メチルフェニデートは、ADHDの治療においては非常に有効で、かつ安全な薬であることがほぼ医学界でも定着しているようです。ただ、一方で、塩酸メチルフェニデートの副作用として、食欲の低下や衝動性の亢進、チック症状の出現が報告されており、さらに、幻覚や妄想などの精神症状も稀ではあるものの報告されていることから、投与にあたっては注意が必要との指摘もなされています。
<関連記事>
・ADHD(注意欠陥・多動性障害)のメカニズム解明
(2009年3月19日掲載)
ADHDは、アメリカ精神医学会が策定したDSM(「精神疾患の分類と診断の手引き」)によって定義されている医学用語です。なお、WHOが策定したICD(「疾病及び関連保健問題の国際統計分類」)では、「多動性障害(Hyperkinetic Disorder)」と規定しています。
ADHDの基本的な症状は、注意欠陥、多動、衝動性の3つがあります。しかし、この3つを全て満たしている場合だけがADHDとなるわけではありません。
多動・衝動性が主に現れる多動優位型ADHDや、多動・衝動性が目立たない注意欠陥優位型ADHDもあり、いくつかのタイプが存在します。また、書けるが読めない(読字障害)や計算だけができない(算数障害)などの学習障害(LD)的な要素を持つことも少なくないといわれています。
事実、ADHDの子供は、ADHDと共に他の発達障害を併せもっていることが知られています。特に、ADHDと学習障害との併発率が高いといわれています。ADHDと学習障害とが併発する割合は、3〜4人に1人と推定されています。
また、ADHDと自閉症との併発も多いといわれています。ADHDと自閉症とが併発する具体的な割合は分かっていませんが、これは、その子供が自閉症であれば、まずは自閉症の診断を優先してつけ、ADHDと重複して行わないためと考えられています。
ADHDの原因は、未だ定説はないようです。染色体異常などの遺伝子的要因や、脳内神経伝達物質ドーパミンに関係する機能異常などが考えられています。
ADHDは、学齢期の子供の3〜5%の割合でみられるといわれています。また、ADHDの男女比は男対女で4〜9対1と、圧倒的に男子に多くみられるといわれていますが、多動・衝動性が目立たない注意欠陥優位型の子供(女子が多い)を含めると、男女差は小さくなるとする見解もあります。
ADHDの治療に使われる薬に、塩酸メチルフェニデート(製品名:コンサータ錠)があります。塩酸メチルフェニデートは、過去にうつ病の治療に用いられていた時期もありますが、現在では、ADHDのほかナルコプレシー(居眠り病)に適応が限定されています。
塩酸メチルフェニデートは、ADHDの治療においては非常に有効で、かつ安全な薬であることがほぼ医学界でも定着しているようです。ただ、一方で、塩酸メチルフェニデートの副作用として、食欲の低下や衝動性の亢進、チック症状の出現が報告されており、さらに、幻覚や妄想などの精神症状も稀ではあるものの報告されていることから、投与にあたっては注意が必要との指摘もなされています。
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(2009年3月19日掲載)
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